新会社法対応!中小企業経営者のための法律相談Q&A【ブログ版】
新会社法に強い司法書士大山雄次郎が、会社経営者、起業家、企業の法務担当者・総務担当者から戴いた無料メール相談に、Q&A形式で回答しております。

種類株式と株券の不発行

Q.当社は、現在、剰余金の配当について優先する無議決権株式を発行しております。
 そして、この株式を所有する株主から、この株式についての株券を発行するようにとの請求を受けました。
 そこでお尋ねしたいのは、当社の株券発行手続にかかる費用をできるだけ抑えるために、この優先株式の株券のみを発行し、普通株式の株券は不発行とすることができるかということです。ご回答の程、宜しくお願い致します。
(東京都・会社員・女性・30歳代)

A.複数の種類株式を発行する株式会社が、株券発行会社となり、実際に株券を発行するためには、全部の種類の株式にかかる株券を発行する旨を定款に定めなければなりません。
 しかし、御社が、全部の種類の株式について譲渡制限規定のある「非公開会社」であれば、たとえ全部の種類の株式にかかる株券を発行する旨を定款に定め、株券発行会社となっても、株主から請求があるまでは、その株券を発行しなくても問題はありません。
 つまり、御社の場合、株券の発行を請求したその株主のみに株券を発行すれば宜しいということになります。

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  1. 2006/08/30(水) 09:20:56|
  2. 株式

株主割当の決議機関

Q.会社役員をしております。
 当社では、株主に割り当てることにより、新たに増資をする場合、従来は株主総会は開かずに、取締役会のみで決議をしておりました。
 そこでお尋ねしたいのは、改正された法律では、株主総会と取締役会の両方の決議が必要なのか、ということです。
 ご回答の程、宜しくお願い致します。
(東京都・会社役員・男性・40歳代)

A.旧商法では、株主割当により増資をする場合、決議機関は取締役会でした。
 しかし、会社法では、株式に譲渡制限規定の定めのある「非公開会社」においては、決議機関は株主総会になりました。
 ただし、定款に定めれば、株主割当の決議機関を従来どおり取締役会とすることができます。
 さらに、会社法が施行される前から存在する株式会社については、「整備法」という法律によって、株主割当の決議機関は従来どおり取締役会とみなされますので、あえて定款を変更することなしに、株主割当による増資を取締役会で決議することができます。

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  1. 2006/08/23(水) 09:25:14|
  2. 増資・減資

代表取締役の解任

Q.当社は、代表者が会社の全株式を所有している、いわゆる同族会社です。
 役員構成としては、代表者の身内が2人、代表者と血縁関係のない者が3名となっております。
 株式は譲渡制限株式で、取締役会及び監査役設置会社となっております。
 ところで、当社の経営状況はあまり芳しくなく、代表者は経営意欲を失くしたのか、半年ほど前から出社しなくなりました。
 そのため、現在の会社運営は血縁関係のない取締役3名が中心となって行っている状況です。
 しかしこの度、金融機関から融資を受けられることになり、私共も資金繰りが楽になると思い、内心喜んでいたのですが、融資の条件に代表者個人の連帯保証という条件がありました。
 そこで、私共も代表者に保証人になってくれるようお願いしたのですが、代表者は金融機関に対して、「今回の融資の保証人にはなりたくない」旨の書面を、弁護士を通じて送り付けてしまい、これが原因で融資は受けられなくなってしまいました。
 そこでご相談ですが、このように無責任な行動をとる会社の代表者を、何とか解任して、新たな体制のもとで会社を継続していきたいのですが、何かいい方法はあるものでしょうか。
(秋田県・総務担当・男性・30歳代)

A.新体制を作る上で最も問題となることは、代表者が全株式を保有しているということです。
 まず、取締役会で代表者を解任しようとする場合、代表者は特別利害関係人に当たりますので、取締役会決議の定足数に参入されず、また議決権もありません。
 よって、新体制派の3名で代表者を解任し、新代表取締役を選任することは可能であると考えます。
 しかし、代表者の株主の地位まで奪うことはできませんので、代表者に臨時の株主総会を開かれて、新体制派の3名の取締役は簡単に解任されてしまいます。
 そして、改めて取締役会を開かれて、代表者が再び代表取締役の地位を得てしまいます。
 結局、新体制派の方がまずやらなければならないことは、少なくとも株式の「半数を得る」ということです。
 言い換えれば、代表者が株式の「過半数を保有していない」状態を作ることです。
 ただ、代表者が簡単に株式を手放すかどうかはわかりませんが、直接ではなく、代表者の弁護士を通じて説得すれば、これに応じてくれる可能性も少なくないと考えます。
 尚、会社の登記簿に「解任」と記載されてしまいますと、金融機関は、御社の経営が不安定であるのではないかとの疑念を抱き、融資の審査に悪い影響を与えてしまいます。
 よって、先のことを考えた場合、代表者とはできるだけ話し合いの方向に持っていき、「辞任」という形を取ってもらうほうが、新体制派の方にとって得策であると考えます。

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  1. 2006/08/16(水) 09:28:29|
  2. 取締役(会)

議決権制限株式と役員の解任

Q.会社役員をしております。
 先日、当社の役員の一人が株主総会で事実上、解任されました。
 当社では、その役員がリーダーとなって、新規事業を立ち上げたばかりでした。
 その新規事業は、今後、私が引き継ぐことになったのですが、この現状に私を含め、役員は皆、困惑しております。
 そこでお尋ねしたいことは、当社の全株式を今後、役員の解任についてはできないものとしたいということです。
 ご回答の程、宜しくお願い致します。
(東京都・会社役員・男性・40歳代)

A.「議決権制限株式」を発行することにより、一部の株式について役員の解任はできないものとすることは可能です。
 しかし、全ての株式について役員の解任はできないものとすると、株主総会の機能を奪うことになってしまい許されません。
 また、特定の株主についてのみ、役員の解任はできないものと定款に定めることは可能です。
 しかし、その定款変更決議は一般の決議要件よりも厳しく、成立は非常に困難です。
 そこで、御社の株主の中に、御社の経営上、不都合な方がおられるのであれば、御社がその株主の保有する株式を全て買い取り、自己株式としてしまったほうが宜しいと考えます。

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  1. 2006/08/09(水) 09:32:19|
  2. 株式

増資手続の短縮

Q.法務部に勤務しております。
 この度、当社では取引先から出資を受け、増資をすることになりました。
 ただ、1日も早く増資を完了させたいために、株式発行の株主総会決議の日と払込期日を同じ日にしたいと考えております。
 これは現状の法律にのっとって考えた場合、そもそも可能なのでしょうか。
(東京都・法務担当・男性・30歳代)

A.募集株式の発行決議の後、(1)募集事項の通知、(2)引き受けの申し込み、(3)割り当て決議、(4)割り当て通知、そして払い込み、と従来の増資手続を行っていたのでは、株式発行の株主総会決議の日と払込期日を同じ日にすることはできません。
 しかし、まず株主全員の同意を得れば、(1)の募集事項の通知を省略することができます。
 次に、引き受けの申し込みと割り当ての代わりに、発行会社と株式引受人との間で引き受け契約を結んでしまえば、(2)の引き受けの申し込み、(3)の割り当て決議、(4)の割り当て通知を省略することができます。
 特に、割当通知は払込期日の前日までに行わなければならないという規定がありますので、この割当通知を省略することができれば、株式発行の株主総会決議の日と払込期日を同じ日にすることができます。
 尚、引き受け契約を結ぶ場合、「募集株式の引き受け申込書」の代わりに「募集株式総数引受契約書」を作成することになります。

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  1. 2006/08/02(水) 09:45:28|
  2. 増資・減資